こんにちは。
高気密高断熱の家を自然素材でつくる津山市の工務店、息吹木の家専務の大本です。
今日は、来年1月に上棟予定のお客様のお家の打ち合わせ。
プレカット屋さんに来ていただいて、図面を広げながら、木の組み方や納まりをじっくり確認しました。
さて今日は、その「プレカット図」の話。
あまり聞き慣れない言葉ですよね。
簡単にいうと、家の骨組みになる柱や梁を、工場であらかじめ加工するための図面のこと。
どこに、どんな大きさの木を使うのか。
木と木をどう組み合わせて、家を支えるのか。
そんなことが描かれている、家づくりのとても大事な図面です。
息吹木の家では、この打ち合わせに結構な時間をかけていて。
というのも、私たちの家は、柱や梁などの構造の木が、そのまま見える場所も多いから。
天井を張って梁を隠すつくりなら、完成したときには見えなくなる部分もある。
でも、木を見せる家では、その一本が部屋の景色になるんですよね。
家を支えるために必要な木が、そのまま空間の表情をつくっている。

※写真は息吹木の家の施工例です。
そこが木の家の面白さであり、難しさでもあると思っていて。
たとえば、梁をどの向きに架けるか。
隣り合う梁の高さは揃っているか。
部屋に入ったとき、どんなふうに木が目に入るのか。
図面の上ではわずかな違いでも、実際にその下に立つと、印象が変わることもある。
木がたくさん見えていれば、それだけで心地よい空間になるわけでもなくて。
一本一本の関係や、全体のバランスまで考えたいところ。
ただ、見た目だけで決められないのが、構造の木。
地震に対して必要な強さを確保することはもちろん、照明をどこにつけるか、その光をどう届けたいかということも、一緒に考えないといけない。
梁を見せたい場所と、明かりがほしい場所。
すっきり見せたい気持ちと、構造として必要な大きさ。
一つを動かすと、別のところにも関わってくる。
なかなか、ここだけ考えたらおしまい、とはならないんですよね。
だから毎回、プレカット屋さんと同じ図面を見ながら、時間をかけてすり合わせ。
今回も確認を進めるうちに、こちらの方がきれいに納まる、ここはこうした方がいい、というところがいろいろ見つかりました。
一人で図面を見ているときには気づかなかったことも、専門の違う人と一緒に考えることで見えてくる。
こういう時間は、やっぱり大事だなあと感じるところ。
建築の仕事は、構造を考える人、見た目を考える人、設備を考える人と、それぞれに専門がある。
もちろん、それぞれの知識や経験が必要。
そのうえで、お客様が暮らすのは、それらが全部合わさった一つの家なんですよね。
構造がよくて、見た目もよくて、明かりも心地よい。
その全部がつながって、初めて居心地のいい場所になる。
だから私たちも、構造は構造、意匠は意匠と切り分けず、同時に考えていきたいと思っていて。
お客様が思い描いている暮らしを、木の架け方や高さ、照明の位置にまで落とし込んでいく。
今日の打ち合わせも、そのための時間でした。
完成した家を見たときに、この梁の高さを決めるために何度も図面を見直した、なんてことは、きっと伝わらないと思う。
でも、ふと見上げた木がきれいだったり、なんとなく落ち着く場所になっていたり。
そんなふうに、暮らしの中で感じてもらえたらうれしい。
木の見せ方と、家の支え方。
今日も、その両方を行ったり来たり。
長く愛される家になるように。
図面のうちに考えられることは、まだまだ考えておきたいなと思っています。