大本彩華 自己紹介へ

図面で決めて終わらない、現場で確かめる家づくり

公開日:2026/10/12(月) 更新日:2026/10/12(月) 現場のこと

こんにちは。

津山市の工務店、息吹木の家専務の大本です。

この3連休は、おかげさまで充実した日々。

3件のお打ち合わせに、イベントへの出店、そしてお施主様のお住まいの点検。

いろいろな形でお客様とお会いし、家づくりのこと、暮らしのことを一緒に考える時間が続いています。

忙しいけれど、ありがたい。

そんな3連休になっています。

 

さて今日は、図面で決めて終わりにせず、現場で一緒に確かめる家づくりの話。

その中でも、現在工事が進んでいるHT様邸。

HT様は、以前は自転車の整備士をされていた方。

今は趣味として楽しまれていますが、大好きな自転車を家の中に飾りたいという想いがあり、そのための場所を計画しています。

 

そんなHT様にとっての自転車は、ただ置ければいいというものでもなくて。

どの高さにして、どの向き、どのような照明で見せるのか。

暮らしの動線を邪魔しないか。

毎日眺めたときに、本当に気持ちよく見えるのか。

を打合せ段階から悩んできました。

 

図面の上で寸法を入れ、位置を決めることは簡単で。

でも、紙の上に描かれた線だけでは、実際の自転車の大きさや存在感までは、なかなか想像しにくいもの。

そこで今回のお打ち合わせでは、実際の自転車を現場へ持ってきていただき、取り付ける場所で一緒に確認しました。

HT様邸の現場で自転車の展示位置を実物で確認する様子

HT様邸の現場で自転車を掲げて展示位置を確認する様子

図面では問題がなかったとしても、現場に立ってみると感じ方が違うことがあります。

もう少し高い方がきれいに見えるかもしれない。

この位置なら、通るときにも気にならない。

ここから眺めると、自転車が空間の一部としてよく見える。

実物があるからこそ分かること。

大切です。

 

図面は、家をつくるために欠かせないもの。

寸法をそろえ、職人さんへ想いを伝え、間違いなく工事を進めるための大切な共通言語です。

ただ、図面で決まったから、もう変えられない。

図面でこうなっているから、このまま進めるしかない。

 

そうではなく、図面で確認したものを、大切な個所はもう一度現場で確かめてみる。

そこで本当に想いどおりになるのか、一緒にきちんと考える。

 

そのひと手間で、もっとよくなることがあるんですよね。

もちろん、工事が進んでからの変更には、時間も費用もかかる場合があります。

だからこそ、なるべく早い段階で現場に来ていただくことが大切。

 

壁ができる前。

仕上げが決まる前。

まだ一緒に考えられるときに、実際の広さや高さ、光の入り方を感じてもらう。

図面ではイメージしにくかったことも、その場所に立つと、すっと分かることがあります。

ここは思っていたより広い。

この窓から、こんな景色が見える。

この高さなら使いやすそう。

反対に、少し違うかもしれないと気づくこともある。

でも、早い段階で気づけたなら、できることを一緒に考えられる。

私たちが積極的に現場へ来ていただくようお願いしているのは、そのためです。

 

家づくりでは、お客様の頭の中にあるイメージと、私たちが受け取ったイメージが、残念ながら完全に同じとは限りません。

言葉では伝えたつもりでも、受け取り方が少し違うこともある。

その小さな行き違いを、ひとつずつ確認していく。

きちんとやり取りを重ねることで、完成してからの「思っていたのと違った」「少し残念だった」を、少しでも減らしたいと思っていて。

 

そして、自分で現場を見て、迷って、納得して決めた場所には、自然と愛着が湧くもの。

HT様の大切な自転車も、ただ飾られるのではなく、これまでの時間や好きなことが暮らしの中に表れる、特別な場所になるはず。

 

家は、図面どおりにつくることが目的ではありません。

そこで暮らす方の想いを、できる限り形にしていくこと。

図面と現場を行き来しながら、お客様、職人さん、私たちで確かめていく。

そんな細やかなやり取りを大切にしながら、完成したときに、そして住み始めてからも、やっぱりこれでよかったと思っていただける家づくりをしていきたいなと思っています。

1ページ (全8ページ中)